取扱業務

刑事事件

ある日突然、逮捕された場合や、思いがけず犯罪に巻き込まれてしまったような場合、どうしたらいいでしょうか。刑事事件の被疑者は弁護人に依頼する権利があります。刑事裁判を受ける際に弁護人に弁護を依頼する権利は、非常に大切な権利なので憲法で保障されています。弁護士費用を払える余裕のない人でも、国(裁判所)が弁護人を選んで付けてくれる制度があり「国選弁護人」といいます。自分で弁護人を選任する場合は「私選弁護人」といいます。刑事事件は時間的制限が厳しいため、一刻を争う事態があるので、早期に弁護人へ依頼することが重要です。

刑事事件の手続き

逮捕

逮捕とは、捜査機関(警察や検察など)が、ある人物に対し、何らかの罪を犯したのではないかと疑いをもったとき、法律に基づいて身体を拘束する手続きをいいます。 逮捕には、逮捕令状が不要な「現行犯逮捕」、逮捕令状が必要な「通常逮捕」、緊急性があると考えて身体拘束の直後に逮捕令状をとる「緊急逮捕」があります。

逮捕されると、必ず「弁護人を選任できる」ということを捜査機関から告げられます。依頼する弁護士の知り合いがいない場合には、弁護士会から無料で当番弁護士の派遣がありますので、迷わずにとにかく、弁護士を呼んでもらうことが重要です。

逮捕されると、警察の留置場もしくは拘置所で身体拘束され、被疑者として扱われます。警察に逮捕されると、逮捕手続きとしては最大72時間、身体拘束されます。逮捕から48時間以内に検察官のもとへ送致されます(検察官送致)。

勾留

検察官が、被疑者に定まった住所がない、または逃亡すると疑うに足りる相当な理由がある、または証拠隠滅(証拠や証人を隠したりすることをいいます)すると疑うに足りる相当な理由があると考え、被疑者の身体拘束を続ける必要があると考えれば、その後24時間以内に、裁判官に引き続き身体を拘束するように(この逮捕に引き続いての身体拘束を「勾留」といいます)請求します。

検察官からの勾留請求があると、裁判官が被疑者の言い分を聞いたうえで(これを「勾留質問」といいます)、引き続き被疑者の身体を拘束するかどうかを決めます。勾留は法律上原則として10日となっていますが、更に10日以内の延長ができることになっています(通常は最大20日間まで勾留される可能性がありますが、内乱罪や外患罪など一部の重い罪については更に5日間延長される可能性もあります)。

この検察官からの勾留の請求に対して、裁判官が、被疑者には「罪を犯したという疑いがない」あるいは「定まった住所がある、逃亡や罪障隠滅すると疑うに足りる相当な理由がない」あるいは「勾留の必要がない」と考えれば、勾留は認められず、釈放されます。なお、「勾留質問」をして、勾留するかどうかを決めるのは裁判官であって、警察官、検察官には勾留するかどうかを決める権限はありません。

勾留が認められれば、検察官は、裁判官が認めた勾留期間が終わるまでに(通常は最大20日間)、被疑者を起訴するか(裁判にかけること)、しないかを決めます。不起訴(罪を犯した疑いがない、証拠が十分ではないなどの何らかの理由で起訴しないと検察官が判断した場合)、あるいは処分保留になると釈放されます。

また、被疑者の犯したとされる犯罪が比較的軽く、50万円以下の罰金または科料が相当であると検察官が判断したときは、被疑者の同意により書面だけで裁判が行われることがあります(略式手続、略式命令)。この場合は、起訴と同時に釈放されます。

弁護人は、身柄の釈放や不起訴に向けた活動を行います。

起訴・裁判

起訴された場合には、被告人と呼ばれるようになります。勾留されたままで起訴された被告人は拘置所で過ごすことになります。勾留を解かれて釈放された状態で起訴される場合(在宅起訴)には、裁判の期日には裁判所へ出頭する必要があります。起訴後、裁判所で裁判が開かれますので、弁護人は、裁判における被告人に有利な事情を主張するための弁護活動を行います。

保釈

いったん逮捕・勾留されると、ずっと警察の留置場に留置されたまま、判決が出るまでいっこうに外に出ることができないのが通常です。しかし、起訴された後は、保釈によって一時的に外に出ることができるようになる場合も少なくありません。保釈が認められる場合には、高額の保釈保証金を納めた上で、身元引受人が身柄を引き受ける(=保釈された者が逃亡しないように監督する)ことになります。

保釈が認められるかどうかは、嫌疑がかかっている罪の大きさや、予想される刑の重さ、被告人が定職に就いているか、家族と暮らしているかなど、さまざまな要素を考慮して判断されます。保釈請求をして実際に保釈が認められる場合(保釈率)は、2割を切っているのが現状です。

少年事件

少年が刑事事件を起こした場合、逮捕・勾留された後の段階ではおおむね成人と同様に扱われますが、裁判については、家庭裁判所で「(少年)審判」を受けるのが通常です。「裁判」ではなく「審判」という名で呼ばれるのは、少年事件においては、その少年の将来の健全な発育という観点を重視して判断するからです。少年事件では、家庭裁判所調査官が、少年本人のみならず保護者も、そして、犯行の動機、少年の生育歴、生活環境等についても広く調査します。そして、その調査結果および処遇意見を参考にした上で、「審判官」と呼ばれる裁判官が処遇について判断します。弁護士が少年をサポートする場合でも、弁護人ではなく「付添人」という名で呼ばれます。

ただし、一部の重大な結果を引き起こした事件については、いわゆる「逆送」によって刑事裁判所で扱われることもあります。また、逆に刑罰を加えるほどの行為ではない場合でも、「非行」と見られる場合は、家庭裁判所で事件処理されることもあります。

ページの先頭へ戻る